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加味逍遥散と逍遥散の違い

2023.07.04

基本の処方逍遥散

逍遥散は和解剤と呼ばれる分類に属しており、漢方で言う肝と脾を和解させバランスを整える処方です。

漢方で言う『肝』は自律神経などに関係する臓腑でストレスなどにより乱れます。

『脾』は胃腸を指しますが、主には食べ物から気血など体に必要なものを吸い上げる臓腑とされています。

この脾は肝の影響を受けやすく、肝の乱れにより不調をきたします。

その結果、食べ物から気血を作る作業がうまくいかず、気血を必要とする肝の働きがさらに悪くなる悪循環がおこります。

このような肝と脾バランスが崩れる事を肝脾不和と呼び主に逍遥散が使われます。

  • ・憂うつ
  • ・イライラ
  • ・冷えのぼせ
  • ・頭痛
  • ・めまい
  • ・生理不順
  • ・胸が張って痛む
  • ・食欲がない
  • ・疲れやすい

上記が肝と脾のバランスが崩れると出やすい症状です。

適応としては冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症(注)、不眠症、神経症などです。

ストレスによる自律神経失調症によく使われるようなイメージですかね。

加味逍遥散とは

加味逍遥散は字の通り逍遥散に味を加えたので加味逍遥散です。

つまり逍遥散に牡丹皮・山梔子という清熱薬を加味してあります。

人間はストレスがかかると体内で悪い熱を生むとされています。

その熱によりホットフラッシュのようなのぼせ感やイライラが強くでます。

そこで熱を取り除く清熱薬である牡丹皮・山梔子を足して対応しているのが加味逍遥散です。

逍遥散と加味逍遥散の違い

説明してきたように逍遥散に牡丹皮・山梔子という清熱薬を加味したのが加味逍遥散です。

よく逍遥散より加味逍遥散がよく効くという話を耳にしますが、そうでもないです。

そもそも逍遥散は肝と胃腸の仲が悪い時の漢方薬です。

加味逍遥散で加味された牡丹皮・山梔子は胃腸に負担をかけます。

胃腸が弱く冷えやすい逍遥散タイプの方には不向きです。

また、清熱薬が入っているので長期服用にも適していませんのでご注意ください。